死ぬまでに、やめるから。

それまでは、OTAKUでいさせてくれないか。主に丸山隆平さんと関ジャニ∞について。

夜を呑む人達。



ーーまるで、夜を呑んだみたいだ、と思った。


1/17。関ジャニ∞のライブツアー最終日。
大倉さんが腸閉塞でその日のライブを休演するという事実を知ったのは、例によって例の如くTwitterだった。
昼寝から起きたままの寝ぼけた頭が急速に冴えていくのを感じた。そんなことってあるのだろうか。こんなことってあるのだろうか。ただただTwitter画面をリロードして、私は新しい情報を待った。私服姿の六人が舞台へ。六人でライブをやることをファンに了承を貰い、開幕。大倉氏のいない穴を埋めるため、六人が必死に駆け抜けたこと。盛大なコントだ、と笑いに変えてくれたこと。
全ては私の見聞きしたものじゃない。実際に肌を通したものじゃない。だから、その場にいた人達が、この公演を見てどんな風に感じたのかは分からない。きっと、寂しかったり不安だったり、言葉になんて出来ない色々な感情が巻き上がったことだろうと思う。

ただ、私は、画面を通して流れてくる文字を追いかけながら、関ジャニ∞を好きになって良かった、と思った。心から、そう思った。私が抱える矮小な夜など、丸呑みにしてしまうほどの強さで、彼らはそこに立っている。そのことを改めて思い知らされた。

昨日のSMAPの謝罪会見を眺めながら、アイドルという存在は本当に大変な世界に身を置いているのだと改めて感じた。本当はもっと話したい言葉があるのかもしれない。語りたい気持ちがあるのかもしれない。それでも、そういう言葉を飲み込んで人々の前に立つ。彼ら自身が一番心配で、一番不安なはずなのに。全ての夜を呑み込んで、ファンの前に立つ。それがどれほど大変なことか、想像に難くない。自分だったらきっと出来ない。
グループ全員が揃って、笑顔でいて欲しいーーそれだけを望んでいるのに、それだけのことが、こんなにも難しいなんて。当たり前のことなんて何一つ無いんだ、と。いつだって何回だって思い知らされる。

関ジャニ∞に話を戻そう。
無限に広がり、落ちてくる夜を呑み込んで、吐き出したら極彩色の世界に変えてしまう彼らのことを、私はいつだって尊敬せずにはいられない。私は何より、彼らが仲良くワチャワチャしているのを見るのが好きだ。私が見たいと望むその世界を、何が起ころうと繋いで紡いでいこうとする彼らに、ファンのことをいつだって考えてくれるエイトに、感謝せずにはいられない。本当に大事にしているんだと思う。本当に大事にされているんだと思う。

だから、私も大事にしていこうと思う。
多分、これからだって、何度となく夜は落ちてくるだろうけど、きっと夜明けのこない夜はないのだと信じたいから。

そして早く、大倉氏が元気になって戻って来ることを願います。関ジャニ∞というグループに、大倉くんと高橋くんというラジオに、ピリリと効かせる胡椒のような存在の大倉氏がいないと、忠義ペッパーが無いと、やっぱり、寂しいじゃないか。

それにしても…。

前回、明るく楽しいオタクに戻るって、言ったじゃないか〜!!!

またしても、ポエミーで失礼しました。
つ、次こそは…。




終わらぬ夜に叫ぶ。

たまに来るポエミーウェーブ。

意味が分かるような分からないような、そういう文章を書き殴りたくなる時があって。そういう欲求を海のように懐深く受け止めてくれるのが、はてなブログだと思っている。その心は。

     こじらせの痛み伴うその病、   
                        不治の所見に、来世来世。

訳のわからない川柳を作成したところで、自分のデトックス用ポエミーいざ参る。



三次元を分断出来るハサミがあればいいのに、と思う。それさえあれば、都合の悪いところ全部切り取って、見たいところだけ貼り付けて、楽しくはしゃいでいられるのに。

最近の世界は見たくもない、知りたくもない、そういう現実ばかりを突きつけてくる。もう、それならそれでそういうものでもいいとして、現実はそういうものだから仕方ないとして。せめて、夢の世界だけは壊してくれるな、と願うことしか出来ない。何故、日々のしんどい生活を忘れることの出来るささやかな空間に、束の間の癒しを求め辿り着いた場所に、現実が図々しくも介入してくるのか。現実が夢を作っているのは百も承知だけれど、作るなら徹頭徹尾、作り上げたままでいて欲しい。裏側なんて見せないで。汚れた世界なんて見せないで。嘘だって貫き通せば真実になる。最後まで、騙して、欺き続けて欲しい。嘘だと分かっていながら、馬鹿だなぁなんて笑われているのを知りながら、騙されて、踊らされること。それが何より楽しいのだから。

夢の世界がいつか壊れてなくなるものだと分かり始めてからは、せめて深入りしないように予防線を張ろうと試みた。のめり込むな、囚われるな。別の世界にも保険をかけておけ。ああ、これで大丈夫。ここがなくなったって、あそこがある。かけがえのないものなんて、この世界にあるものか。そんな言葉をどこかで見た。そう、これでいいのだ。それが健全な距離であり、楽しみ方であり、ファンなのだ。

それでもきっと、好きでいることをやめられない。いつか、自分が魔女になることが分かっていても、首を捥がれると分かったとしても、もはや魔法少女をやめられない。圧倒的に許される才能を持ち、才能を持つが故に許されるーーそんな人に魅せられたが最後、契約したが最後、その一挙手一投足にジタバタさせられ続け、ゆっくりと水面に引きずりこまれ、時間をかけて溺れさせられるのだ。痛みを共に背負うことすら課せられて、それでも好きでいるなんて。とんだマゾヒズムだ。それでもただひたすらに、この箱庭みたいな綺麗な世界が続きますように、と願いながら、息が止まるまで、痛むように愛し続けるしかない。

だから、出来るだけ、終わりの終わりまで演じ続けて欲しいと願う。それがエゴだと分かっていても。終演まで、終幕まで、出来るだけ綺麗に私は騙されていたい。

死ぬまでに、やめるから。
どうかそれまで、終わらぬ夜の星でいて。



…はい、デトックス完了しました。
ここからは、また楽しいオタクで生きたいと思います。

その者、豹柄の衣を纏い。

2015年を駆け抜け、2016年に降り立つべし。

時は2015年末。東京ドーム。
ファンタスティポを披露するその舞台に、遅れて駆け込んできたその姿に、顔は見えなかったその影に、確信に近い予感があった。
ああ、この何か巻き起こすんじゃないか、という期待を裏切らないこの人は、きっと、私が今年も目を離せないであろう人に違いない。

乱れた髪と共にステージで顔を上げ、そのにこやかな笑顔を見た瞬間に「やっぱりィイイイ!!!」と我が家に絶叫響き渡る。

流氷でもR.Y.U.S.E.I.でもない。

R.Y.U.H.E.I.

その人だったーー。



あけましておめでとうございます。
ジャニーズカウントダウンコンサート、非常に非常に楽しかったですね!
多分、一回死んで、一回生き返ったくらい興奮したんじゃなかろうか。
私は自宅テレビアリーナ最前列で鑑賞しましたが…うーむ。やはり、丸山さんは何か持っている。何か引き寄せるというか、どうしてこう、何も起こらないということがないのだろう。この世界における特異点なのではないかと最近思う。自分で書いておきながら、良く意味が分からないけれど。
紅白の「同じ阿呆なら弾けにゃ損損!」の場面でも、きっと何かやる、この男が黙って何もしないわけが無いと思っていたが、やはり案の定アレンジをぶっ込んできた。多少、タイミングピッタリとは行かなかったものの、その場面が終わった瞬間、「丸ちゃん、良くやった…良くやったよ!」と、母と手を取り小さな勝利を喜んだ。ちなみに、ライブに連れて行ってから、母親はすっかり関ジャニ∞の虜になってしまった。合掌。

他にもカウコンでは、ファンが一番聞きたい曲コーナーにおいて、関ジャニ∞が「大阪ロマネスク」を歌ってくれたことに、きちんと民意が反映されていることに感動し、なかなか聞くことの出来ないその曲を、テレビで聞けたことに胸がいっぱいになった。
また、東の滝沢・西のすばるの夢の共演、大倉氏と北山くんのあざとかわいいコロコロ、番外編の修二と彰……とにかく贅沢に贅沢を塗り重ねた夢のタッグを見せてもらったが、丸山担としてはやはり、五郎丸ーーはっ、丸だから五郎丸やったのか!と今更気づくーーこと五郎丸山さんのお笑い要素よりなんかカッコイイ要素が残ったあのコスプレが、私には忘れられない記憶となりました。チャンピオンー!!!

あと、紅白においては、数年の内に村上さんが白組司会者に立っているという予言めいた直感がエイター各位にもたらされたことと思う。関ジャニ∞15周年辺りに向かって、N◯Kへの貢献度を上げる活動が始まるんじゃないかしらん。期待期待。

今年もきっと、安定の不安定感で、想定の範囲外が想定の範囲内で、恋はスリルショックサスペンスな丸山さんに、私はきっと目が離せない。目が離せない、というのはとんでもない才能で、放っておけない、というのは恵まれたアイデンティティーであると私は思う。だから私は、今年も息を呑み、息を詰め、息を殺して、自称「本番とカメラが苦手」な丸山さんを見守り続けるのだ。落ち着いて見られるようになりたいと願いながらも、多分、そうなったら最後だろうな、とも思う。

爆発しそうな心臓を抱えながら、今年もよろしくお願い致します。


2016年も丸山担で。

眩し過ぎて直視できない2015末。

最近、丸山さんを見ても「ギャアアア、カッコイイィイイイ!!!」と叫ぶことしかできません。カッコイイもしくはカワイイ。表現する言語が乏しい、同じことしか書いてない、とお叱りを受けそうです。どうすればいいでしょうか。(知るかよ★)

どこを切り取ってもカワイイかカッコイイしかなくて、言語化が難しくて、一場面見るだけで100メートルダッシュしたのと同じくらい息切れしてしまう私ですが、お陰様で、今年も丸山さんを眺めながら、良い年を迎えられそうです。

ブログを通してお話ししてくださった皆さん、反応をくださった皆さん、ありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

ジャニヲタになって変わったこと。

正直、ジャニヲタと呼べるほどジャニヲタでは無いかもしれない。私の活動範囲はほぼ関ジャニ∞に限られていて、その他ジャニーズについての知識量は一般人とそう変わらない。
しかし、この一年、ジャニーズという新たな沼にはまり、生活と自身の内面には確実に変化が生じた。もうすぐ年末ということで、今回はそんな事柄をまとめてみようと思う。

◆DVDやBlu-rayを買うようになった。

ジャニヲタになる前は、DVDやBlu-rayなんて早々買わなかった。買わなくても、レンタルで借りて見ればいいかな、という感じだった。なのに、関ジャニ∞にハマってから、次から次へとDVDやBlu-rayに手を出すようになった。その癖が付くと、好きなアニメDVDも「よし、予約しよう」ということになり始めた。同じく、CDも買うようになったが、まさか、二枚、三枚と、同じ内容*1のものを買うようになるとは思わなかった。
それにしても、関ジャニ∞のライブDVDやアルバム初回盤の充実っぷりには、お金出しても惜しくないなぁ、と思う。ファンなら買うのが当然なのかもしれないけど、内容が充実していないと次から買わなくていいかな、と思うタイプの人間なので、これからもこのクオリティでよろしくお願いしたい次第。とか言いつつ、結局、丸ちゃんが好きな間は買い続けると思うけど。

◆収納に興味を持つようになった。

ジャニヲタになって、とにかく物が増えた。チケット半券、ライブグッズ、CD・DVD、雑誌…etc。それらは、定期的に整理しなければ、部屋の中でブラックタワーを形成していくばかりである。なので、このまとめを見ては、最適かつ面倒でない収納を考えるようになった。


いわゆる、ジャニヲタ収納術。
このまとめページ凄く好きで、片付け欲が沸くたびに見返している。でも、読むだけで満足してはなかなか片付かない。

最近やって良かったのは、無印のDVDホルダーに、ライブDVDや特典DVDだけ集めて収納するやり方。


私は、CDやDVD外側の透明な袋を取っておく派なので、DVD見るたびに袋を開けるのが面倒で、一回見てそのまま、というものも多数あった。しかし、この方法で収納したところ、ライブDVDを頻繁に見返すというジャニヲタ的には模範的な、社会人的にはどうなのか、みたいな状況になっている。

◆百円ショップや三百円ショップに通うようになった。

初めて応援うちわを作成するに伴い、百円ショップに行ったのがきっかけ。その後、収納やら何やらで、百円ショップまたは三百円ショップに行く機会が非常に増えた。ちなみに、収納品や小物で自担カラーを集めたい場合、s◯riaがオススメ。私が求めるのがオレンジ、ということで、普通の百円ショップだとファイルくらいしか無い場合が多いんだけど、前出した百円ショップは、カラーバリエーションが豊富。仕入れ担当、もしくは製品開発担当がジャニヲタなのかと思うくらい。先日、オレンジのリモコン置きが欲しくて探しに行ったのだが、4件ほど百円ショップ回ったけど、最終的にあったのはs◯riaだった。オレンジの小物、買い占めようかと思うくらい、色々あった。三百円ショップでは、主に収納用のケースを購入している。

◆自担カラーを探すようになった。

スマホカバーから加湿器まで。オレンジ命。

◆録画編集というスキルを身につけた。

ジャニヲタになってから、HDDを購入したんだけれど、早くも容量が少なくなるというジャニヲタあるある状態に突入した。そこで、かねてから噂に聞いていた録画編集という作業をすることにした。リモコンをいじりながらやって見たが、意外と簡単にCMや不要な部分をカットすることが出来るので、非常に助かる。しかし、そろそろDVDに焼くという作業が必要になりそうで、また新たなスキルを得る必要に駆られている。

◆新しいアーティストに興味を持つようになった。

例えば高橋優さんだったり、ゲスの極み乙女さんだったり。関ジャニ∞を好きにならなければ、知らなかったし、聞かなかったアーティストさんを知る機会が増えた。関ジャムの影響もあるし、曲提供して下さったアーティストって言われると、気になるし。マル氏が好きだっていうんなら聞いてみようかな、ってなったし。でも、一番ハマったのは、間違いなく優さん。歌から人柄まで、好き。

◆よく情報を集めるようになった。

昔に比べて、自分から情報を集めるようになった。例えば、リサイタルで初の遠征を経験したわけだけど、新幹線の時間・ホテル…etcを自分で予約するのに必要な事柄や、掲載雑誌、出演する番組、チケット等の申し込み期間…とにかく色々な情報をチェックしておかないと、気づけば申し込み期間終わっていた、とか。番組が放送し終わった後だった、とか。情報戦がとにかく激しい。一番の情報源はTwitter。自分は140字で瞬発的に呟く、というのが苦手なので、今ほとんど呟いていないけど、日々、呟きに色々なこと教えてもらってます。ありがとうございます。だからこそ、これから先、初めてチケット取ったりライブに行ったりした時の人が参考に出来るように、ブログで記録はつけて行きたいなぁ、と思っている。

◆健康の知識が増えた。

これは、丸山さんがサタデープラスをやっている影響。未だに毎日8階まで階段の上り下りは続けているし、サタプラでやっていた体操を取り入れたりもしている。家族で見ているので、アマニ油が食卓に出没したりもした。

◆総括。
 
結果として、ジャニーズを好きになったことで、連鎖的に興味の幅が広がったし、活動的になったし、色々な面で知識が増えたと思う。それに伴い、出費も増えたが、そのことが気にならないくらい貴重な経験しているなぁ、と思うので、自分にできる範囲で投資しつつ、最大限にバカになって楽しみたいと思う。

来年も新たな世界を見せてください。

*1:厳密に言うと、特典内容が違うけど。

ジャニヲタ文芸部 第2回お題「カウントダウン」

もう、ジャニヲタ文芸部・お題発表の時期か、と思うと時間の流れの早さに驚愕せずにはいられない。ということで、第2回も、飽きもせずSSで参加させて頂きます。


それにしても、短歌や都々逸で表現できる方って凄いな、と毎回思います。短い言葉で綺麗に表現するって、相当難しいと思うんだよね。

では、以下より始めます。

◆◆◆

彼女の延命装置に警告の明かりが灯った。
ライブ開演、三十分前のことだった。

彼女は、とある不治の病に冒されていて、特別に開発された延命装置によってその命を繋いでいた。この装置が切れてしまえば、立っていることはおろか、息をすることも出来なくなってしまうーーそれなのに。
彼女はどうしても、そのアイドルのライブを見たいと言った。だから、病院を抜け出すのに手を貸して欲しい、と。
僕は彼女の友人だったので、誰よりも親しい友人だと思い込んでいたので、彼女の切実なる願いを叶えるべく、小さな延命装置に繋がれたままの彼女を抱え、病院をこっそり抜け出した。
ただ、誤算だったのは、その延命装置が、予想外に電池を食うということだった。予備のバッテリーさえ使い切ってしまい、もう充電出来るものは残っていない。
「病院に戻ろう」と説得を繰り返す僕に、彼女は頑なに首を横に振った。苦しそうに浅い呼吸を繰り返す彼女は、自作のうちわを固く握り締めたまま、メインステージを見据えている。
「戻らないと、君は死んでしまうんだよ」
「死んだって……構わない。今、このライブを見なければ、私は死ぬまで……ううん、死んでからも、後悔する」
「ライブなんていつだって行けるよ。生きてさえいれば」
僕の言葉を聞いて、彼女は眦を釣り上げた。
「生きてさえいればいつだって行ける、なんて。そんな保証、誰にも、ない。次のライブまで、私が生きられるかどうか、なんて、分からない。あなたにだって、彼らにだって……ここにいられる保証なんて、ない」
彼ら、の言葉と同時に、彼女の視線は僕が手にしていたうちわに向けられる。そこには、彼女が大好きだと公言していた青年が、満面の笑みをたたえていた。

「だから、お願い。ここに、いさせて」

警告ランプが点灯してから、バッテリーが三十分も保たないことは分かっていた。ライブが始まるまでにギリギリ保つかか保たないかーーそのくらいしか、彼女には時間が残されていない。
でも、今、救急車を呼んで貰えば、彼女が生きられる可能性はぐっと高くなる。彼女には恨まれるかもしれないが、そうすべきなのではないかと僕は思った。
でも、彼女の熱っぽい瞳が、僕を思い留まらせた。彼女にも、僕にも、そして彼らにも、今この時しかないのかもしれない。次、なんて生温かい慈悲は与えられないのかもしれない。僕は、彼女の生命維持装置を握りしめたまま、祈るように開演を待った。

それから、どのくらい経っただろう。
観客達が立ち上がり、手を叩きながら、呪文のような何かを呟いている。それから、ふ、と。辺りが真っ暗になり、歓声が上がった。僕が顔を上げると、目の前のスクリーンが、カウントダウンの数字を表示し始めた。
「始まるよ」
囁いた僕に、彼女の返事は無かった。
僕は手元の生命維持装置を見て、その灯りが、目の前のカウントダウンに合わせて点滅していることに気がついた。しかし、僕には、スクリーンと生命維持装置を交互に見つめながら、ただ祈ることしか出来なかった。

頼む。
どうか彼女に、一目だけでも彼らの姿を。

数字は減っていく。
早く、と急く僕の願いを無視するかのように。
規則正しく、マイペースに。

5・4・3・2・1……。

そして、激しい音の洪水に呑まれながら、彼女の生命維持装置の明かりが静かに消えた。
瞳を閉じたまま、人形のように眠りに落ちた彼女の身体を抱き寄せ、小さく揺さぶる。
「ねぇ、始まったよ。会いたかったんでしょう?  ほら、目を開けて。こっちに来るよ」
沈黙を保ったままの彼女に、僕は囁くように声を掛ける。しかし、彼女が瞳を開けることは無かった。僕はどうしていいか分からず、ただ泣きながら、彼女を強く抱きしめた。

やがて、上方から誰かがじっと見つめている気配を感じた。のろのろと顔を上げると、そこには彼女の大好きな青年が立っていた。テレビで見るよりも実物の方が、何倍もいい男だった。
僕はそんな彼に、涙と鼻水で濡れた汚い顔を晒しながら、彼女の腕を取り、その手に握りしめられたうちわを掲げた。

『元気下さい!』

そう書かれたうちわを、青年は真っ直ぐに指差した。それから、僕の腕の中で眠る彼女に向けて、何かを投げるそぶりをした。僕の手にしていたうちわより、何倍も輝く笑顔を浮かべて。「元気になぁれ」と、唇を形作った。

その後、彼女は会場にいたスタッフに呼んでもらった救急車で、病院に運ばれた。奇跡的に命だけは取り止めたが、彼女はあの日からずっと、目を覚ましてはいない。

僕は今日も、彼女のベッドの傍らで、彼らが歌う曲を聴きながら、彼女が目を覚ますのを待っている。

「次のライブには、お礼に行かなきゃね」

彼女の命を、ここに繋いでくれたお礼に。
そしてーー僕を救ってくれたお礼に。
次のライブを、指折り数えながら。
彼女と二人、彼らに会いに行ける日を、一人、カウントダウンしながら。

◆◆◆

ツッコミたいところは多々あると思いますが、あくまでフィクション……ファンタジーなので……どうかご容赦を!
今年も色々なことがあった中で、いつだって会いに行ける、次がある、なんて保証は誰にもなくて。だからこそ、会いに行けるそのチャンスを大事にしたいな、と思いました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

関ジャニ∞の元気が出るライブ!! 東京 12/17公演

※ライブのネタバレがあります。
これから行かれる方は、すぐUターンして下さい。


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今年の楽しみが終わってしまった。
私の年内の営業は全て終了しました。
お疲れ様です。それでは、よいお年を!

…と言って冬休みに入りたい気分です。

タイトルの通り、関ジャニ∞の元気が出るライブ!!に行ってきました。
孤独と静寂を愛する、つまるところボッチエイターの私は、今回も自力で取れた一公演のみで、ツアーファイナルです。正直、もう一公演くらい入りたかった。しかし、チケツイを眺めながら「ドタキャンされた」「音信不通になった」の文字を見ると、小心者は交渉の声を上げることすら出来ない始末です。なので、普段から出来るだけ徳を積んで、「事務局様、お恵みを」と願うばかりです。他力本願。入れれば、どこの座席でも全力で楽しむ所存です。

とかなんとか言いつつ、今回の座席が40ゲートの着席限定というシートで、東京ドーム初心者の私は「やった!前のほー」と一瞬喜んだわけだけれど、ネットで座席を調べたところ、40ゲートはいわゆる2階席、傍観者席だそうで。前回、掴んだるでアリーナからトロッコで通り過ぎる丸山さんを見上げるという魔法体験をしてしまったため、「上のほー」の座席、しかも立って応援が出来ないことに、正直、ちょっとガッカリしてしまった。しかし、その姿を見ていた母親に、「ファンだったら、どの座席でも楽しめるでしょ。入れただけありがたいはず」と至極真っ当な正論を突きつけられ、「その通りッス。押忍」と頭を垂れた次第です。

ちなみに、同行者が決定するまで、今回は紆余曲折あったんだけれど、結局、件の母親が入ることになった。いい年して母親とジャニーズのコンサートに来る娘なんているのか、と不安になっていたら、結構見かけたので安心しました。母娘二代、下手したら三代で楽しめるジャニーズって、本当に素晴らしいエンターテインメントですね。

前回、長野での経験がトラウマになっていて、入場までどれくらいかかるのか、とこれまたひどく心配していたが、何時間も地下駐車場をグルグル歩くこともなく、ゲートからすんなり入り、すんなり着席出来た。あまりにもすんなり入れたので、一時間以上時間があった。さらには、飲食の持ち込みが良いんだか悪いんだか分からなかったので、ペットボトルのお茶(残:微少)しか持っておらず、結局、お菓子と飲み物をドームで買ってしまった。そうか。ドームで売ってるんだな。

2階席、とは言いつつ、着席限定シートというのは一番最前列にあたり、私が座っていた辺りからは、かなりはっきりとバクステが見えた。メンステも花道も、全方位体を動かさず見渡せる最高に楽チンシートで、これは冷静に俯瞰視点でレポートをしろという神様の思し召しだ、と思った。しかし、どのような席であろうと、自担を前に、冷静に俯瞰するなど、出来るわけが無いのである。

開演5分前の注意事項案内から、既にエイトのエンジンがかかっていた。注意事項の映像は、メンバーがアメコミ風に描かれたもので、「今日のライブの再演が決定しました…君の夢の中で」みたいなやつとか「グッズを持った人を街で見かけたら、ハイタッチしよう」とか、注意事項と関係ないことまで盛り込み、開演前から楽しい。丸山さんは、映像の中でもいじられていました。内容はハッキリと思い出せないんだけど、「気持ちが高ぶったら隣の友達と抱きしめ合おう」みたいなやつと「携帯電話の云々」だったかな。マル氏の扱いには、とりあえず笑うしかない。

そして、ドームの照明が消え、歓声と共に暗闇の中にペンライトの海が広がった。七色の光が波のように揺れるその光景は、幻想的で本当に綺麗。一番じっくりとペンライトの海を見渡したのは、実は、すばさんと村上さんの「渇いた花」演奏時だったんだけど、曲のしっとりとした雰囲気の中、ペンライトの海を眺めるのは、最高に贅沢な時間だった。魔法みたいだった。

話を戻そう。

オープニング映像は、エイトさん達が今回のユニットメンバーごとに、それぞれの駅から東京ドームに向かう映像で、ドーム前で全員集合した後、舞台裏に入り、まさに裏で円陣を組んでいる映像になる。丸山さんの掛け声に、メンバーが呼応し、元気が出るライブ!!東京初日の幕が開けた。

もうここから先は、興奮して細かい記憶が曖昧なのですが、書きたいことだけ、順不同で書いていきます。真実虚実入り乱れ、都合良く書き換えられたレポートになっているかもしれません。早い話が、間違っていたらごめんなさい。

◆メインステージで丸山さんがどれかを見分ける作業をまず始める。画面と交互に視線を配りながら探すも、うむむ、分からない。そうこうしている内に、花道を通り、バクステに丸山さんがやってくる。上のほうにも手を振り、パーンだったか何かの煽りだったかをやってくれた。「これ、絶対私の方見てやってるヤツ!」と、距離があることをいいことに、盛大な勘違いを胸に抱きながら、丸山さんの動きに合わせる。幸せな勘違い野郎め。良い夢見ろよ!

◆衣装にオレンジが入っているか、ファンサが激しいかどうか、を中心に画面と見比べながら本人確認する、という丸山サーチスキルを身につける。

◆ファンサ中、笑顔だったマル氏が一瞬だけ真顔になった場面が画面に抜かれ、その男前っぷりに痺れずにはいられなかった。

◆盛り上がる系の曲→バンド曲と続いた後、楽屋裏の映像に切り替わる。マル氏、上裸。そのお腹に何かマジックで書かれているので双眼鏡で確認したところ「ファン命」の文字。こんなところまで、丸山さんは「ファン命」でいてくれるのか!と、思いも寄らないところで感動してしまう。

◆楽屋裏にかわいこちゃん達の声が響き渡り、まさか…と思っていたら、キャンジャニちゃん登場。ま、まる子ちゃん可愛すぎぃ〜〜〜!!!あとは、くら子ちゃん、やす子ちゃん、すば子ちゃん辺りが生で見て可愛いポイント高かった。

◆「心配して下さい。(パンツ)履いていませんよ」のすば子ちゃん。人一倍短いスカートでターンすると、赤いパンツ(ふんどしか?)が覗く。

◆まさか、バリンタンをキャンジャニちゃん達がやるとは…ピンクのタンバリンと共に歌い踊るキャンジャニちゃん達がかわいすぎる。

◆その後、キャンジャニちゃん達の気になる人が画面に現れる。まる子ちゃんの気になる人…顎くいを得意とする、イケメン山氏が姿を表す。雄っぽさを前面に出す、珍しく強引な感じのマル氏にドキドキしてしまう。そして、マル氏の唇が近づいてきて…うぉーい!やっぱり最後ちょけんのかーい!途中まで本気でトキめいたのに!

◆夏の恋人を歌い終わり、イケメてる衣装にキャラが引きずられるマル氏。しかし、チャックがあいてることを55,000人の前で指摘される事件発生。母「なんかあいてるな〜って、画面見て思ってたんだよね」みんな、よく見てるな!私は全然気付きませんでした…ま、丸山担失格や…!orz

◆MCで色々テンパった挙句「丸ちゃん、煙出して!」というメンバーからのフリに、煙を出そうと汗だくで応える丸山さん。こういう、いつも、どんな時でも、優しく全力な丸ちゃんが私は大好きだ。

◆バナナジュース、錦戸さんサックス披露…う、上手すぎる!横山さんのトランペットとのセッションでテンションが上がる。関ジャニ∞がドンドン楽器スキルを上げている。

◆my store〜可能性を秘めた男たち〜、衣装が短パン、イメージカラーのランドセル、丸山さんと安田さんはメガネ。大事なことなので、二回言います。メガネ。でっかい小学生がステージをぴょこぴょこしている姿は、鼻血モノ。

WASABIの前のロシアンルーレット映像。人形焼きで、錦戸さんが不意打ちワサビ。スーツ姿のメンバーが見られる素敵映像でもある。

◆バンドセクション、再び。ベースを弾く俯きがちなマル氏、ため息が出るほど美しくてカッコイイ。High Spirits〜勝手に仕上がれまでのマル氏のベースには歓声を上げずにはいられなかった。すばさんの生「丸山ァ!」も聞けたし、思い残すことない。

◆アンコール、まさかの気球登場。メンバーが上のほーまで近づいてきてくれる。再び、丸山さんに思い切り手を振り、公式うちわで主張すると、「ま、丸山さんこっち向いて、手ぇ振ってくれたーー!!」と、またしても、遠目をいいことに、都合良く、記憶を書き換える。母の「いやー、もうちょっと上の方に視線向けてたよ」という言葉は聞かなかったことにする。絶対こっち見てたもん。だって、そういう風に見えたんだもん(開き直り)。
今回、時間がなくて、うちわは作っていかなかったのだけれど…いつ、いかなる席でも、油断せずラブレターならぬラブうちわは持っていくべきだと思いました。

◆隣の人と手をつないで、「最高で最強の関ジャニ∞」を初めて出来たことが嬉しかった。不思議な一体感。

◆ラスト。初めて銀テープなるものをゲットした。まさか、二階席にまで来るとは夢にも思わなかった。前回、アリーナでも手に出来なかったのに…家宝にすっぺー!ということで、早速、タ◯レコ・銀テキーホルダーを購入。随分な浮かれっぷりである。

以上、覚えていられる範囲のレポートでした。

それにしても、本当に座席関係なく楽しめるように作ってくれていて、バンド編でも、ムビステで近づいてきてくれるから、それだけでテンションが上がりました。上のほーだと、確かにファンサは望めないかもしれないけど、それが逆に、ライブを純粋に楽しめる結果になったんじゃないかと思う。いや、遠いからこそ、勘違いというニセモノの記憶で、自分を幸せにすることも出来る。着席限定でも、力一杯応援出来る。結局、楽しんだもの勝ちだな、と思った。ライブも、人生も。
すばさんが、「今、出来ることを詰め込みました」みたいなことを言っていたけど、これだけ沢山のことを、妥協せず、貪欲に掴み取って、自分達のものにしていったエイトさん達を尊敬せずにはいられない。
そして、一緒に入った母親が、予想以上に、私以上にハッスルしていて、数日経った今でも、「関ジャニのライブ、良かった〜。すっごい楽しかった〜。また絶対行きたい〜」と言っている状況で、それがまた嬉しかった。

素敵な時間をありがとうございました。
入れるものならもう一度入りたいくらい、本当に本当に楽しかった!

長くなりましたが、以上、撤収!